第6回 日本在宅救急医学会総会・学術集会 会長挨拶
第6回日本在宅救急医学会総会・学術集会長
医療法人青燈会小豆畑病院 理事長・病院長
小豆畑丈夫
啓、時下、皆様におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。このたび、2022年9月10日(土)・11日(日)の2日間、常陽藝文センター(茨城県水戸市)において第6回日本在宅救急医学会総会・学術集会を開催させていただくことになりました。過去の本総会はすべて東京都で開催されており、地域開催は初めてとなります。
前身である日本在宅救急研究会は、「在宅医療と救急(病院)医療のスタッフが同じテーブルにつき、本当の良き医療の構築を目指す」を目的に2017年に創立されました。スタッフとは、在宅医療と病院医療に関わるすべての職種を示しています。過去5回の総会において、医師だけではなく、看護師、介護施設責任者、ケア・マネジャー、メディカル・ソーシャルワーカー、薬剤師、救急救命士、生命倫理の専門家など、多様な専門職種の方々に参加していただきました。第6回総会におきましても、目指すところは同様です。それに加えまして、今回は未来の医療を担っていく学生(高校生や大学生)の参加も企画しております。多くの皆様のご参加を心からお願いいたします。
今回のメインテーマは「信念はいらない。まず命を救え。」といたしました。これは、アフガニスタンで医療を行ってきた中村哲先生の言葉です。「ここで命を救うために必要なことは、医療よりもきれいな飲み水を確保することだ」と、亡くなるまでに1600本もの井戸を掘ったと言われています。日本の医療が抱える問題は、新型コロナウイルス感染拡大によって、多様化し、さらにより深刻化してきています。現在、既成の概念や様々な分野意識を超える医療者の態度が求められていると思います。中村先生は、目の前の病める命を救うのが医者の仕事なら、聴診器を捨ててショベルカーに乗ることをいとも簡単に選ばれたのです。この言葉を掲げて、「本当の良き医療」のあり方を模索していこうと思います。
是非、皆様に学術集会に参加していただきたいと思っています。水戸でお会いできますことを、心から楽しみにしております。
謹白